てんかん
てんかんについて
てんかんは、通常穏やかな電気活動をしている脳に、突然大きな電気活動が起こり、それに伴って発作性に症状を呈する病気です。大きな電気活動の起こる脳の場所や拡がり方、またその大きさによって、発作症状は異なります。
例えば、手足の動きを命令する運動野に大きな電気活動が起こると手足のけいれんを起こしますし、記憶に重要な働きをする海馬やその周辺に起こると既視感(デジャブ)や意識がぼ〜っとする意識減損発作を起こします。また、脳全体に突然起こると、意識を消失して全身の痙攣、いわゆる引きつけを起こします。
てんかんは、人口100人のうち約1人にみられ、決して稀な病気ではありません。発病する年齢は小児に最も多く、成人になれば減少すると一般的には思われていましたが、最近では中高年になって発症する高齢者てんかんが知られるようになり、この診断が増えています。
高齢者てんかんは時々ぼ〜っとしたり、記憶がとぶような発作症状が特徴的で、認知症と間違われやすいてんかんです。また、認知症に伴って起こることも知られています。
てんかんの診断
てんかんの診断には、
- 発作症状(携帯による動画撮影は有力な情報になります)
- 脳波検査
- 頭部CTスキャンやMRIによる画像検査
以上の3つが重要です。
これらを総合的に判断し、本当にてんかんなのか?また、てんかんであればどのタイプのてんかんであるのかが診断されます。
この診断により、今後のことがある程度予想出来ますし、適切な治療薬(抗てんかん薬)も選択されます。治療には効果が高くて副作用の少ない新規抗てんかん薬の臨床応用が我が国でもここ10年間くらいで可能となりました。また、抗てんかん薬の効果が少ない薬剤抵抗性てんかんに対しては、開頭手術によるてんかん焦点切除や脳梁離断術、迷走神経刺激療法などの外科的治療も考慮されます。
ただ、てんかんの専門医はまだまだ少なく、日本てんかん学会専門医は、現時点で福岡県内に42名いますが、そのうち小児科の先生を除くとわずか19名です。従って、てんかんに関して専門的な医療を受けることの出来ない患者さんも大勢いらっしゃると思われます。
- 自分の症状はてんかんなのだろうか?
- てんかんの診断を受けたのだが、本当なのだろうか?
- てんかんの説明を受けたが良く理解出来ない。
- 今飲んでいる薬の副作用が心配。
- 女性で、将来子供に薬の影響はないだろうか?
- てんかんと診断されたので、一生運転免許はとれない?
- 中高年で、時々ぼ〜っとしたり記憶がとぶことがあるが、これは認知症、
あるいは高齢者てんかんのどちらだろうか? - 一生、薬を飲み続けなければならないのだろうか?
- 治療費の自己負担が少なくなる自立支援制度について知りたい。
- 自分のてんかんは外科的治療で治るのか?
など、てんかんに関して
様々なお悩みごとがあれば、
ご気軽にご相談下さい。